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美味しさを追求するのがお酒を扱う業界の使命ですが、

今日では世の中にはますます美味しいものが溢れ、日本中美味しいお酒ばかりです。

この業界はそれであっても追求していかなければならないという使命からは逃れられないわけで、酒を並べて、この酒はここがダメだ、

あそこがダメだ、もっとこうした方が良いとやっているわけです。

 

昔のように美味しい物とそうでないものがはっきりとしていた時代は、美味しいものは美味しい、そうでないものはそうでない。飲んでみれば明確であったと思いますが、今のように美味しいものが溢れる時代では、美味しいものとそうでないものの差が縮まり、その違いが分かりにくくなってきています。我々がいつもやっているような官能評価で一般の人が拾えないような異臭を拾っていくことが、美味しさを追求していくための本質であり得るのでしょうか?

 

人が美味しいと感じるのはとてもあいまいなものです。いくらスペックが優れていようと、香味が調和していようと全ての人に対して確実に美味しいと思わせるのは不可能でしょう。

味覚や嗅覚の調子も日によって違うでしょうし、気分が優れない時はいくら美味しいものでも美味しいと感じないでしょう。

特に知の要因は大いに美味しさに影響します。

 

例えばですが、燻香という雑菌由来の異臭があったとします。燻香を知らない人は、香ばしくて良い香りだと感じるかもしれません。しかし、燻香というものを知って拾えるようになった人は、そのお酒を美味しいと感じなくなるかもしれません。それは、燻香は雑菌由来のものであると知ってしまったからです。

この例は、知ることで美味しいものがそうでなくなるパターンですが、その逆もあります。

 

限定、幻、トレンド、手造り、等のワードは魔法のワードだと思っています。『幻の酒〇〇』というだけで、飲み手は官能的に香味の良い部分を探そうとし、さすが幻の酒だと納得しようとします。幻の酒は美味しくなければならないという心理が働いているからです。幻の酒であるという情報は知ることで酒をより美味しくさせます。要するに、美味しい酒であるという固定観念を飲む前に植え付けられてしまうと、実際にそのお酒は美味しく感じてしまうのです。

美味しい物が溢れる時代は、官能的に美味しいだけでは不十分といえます。情報としての美味しさで知に訴えかけていくことが美味しさを追求するために必要なのです。

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